行動療法2

では次に実際に行動療法を行います。行動療法をする際には強迫観念が強くなって苦しい状態にあっても強迫行為を我慢することが一番大事になります。


とは言ってもその強い不安に耐えることはとても難しいと私自身も実感しています。私自身は閉鎖病棟(閉鎖というとおどろおどろしいですが、中は比較的自由で明るい雰囲気です。)に入院して外出が制限されていましたし、二十四時間ナースステーションや病棟内に看護師さんが待機してくれていましたので強迫行為との物理的な遮断の助けになっていただきました。それにも関わらず看護師さんの目を盗んで強迫行為をこっそりしたことが何回でもあります。


それだけ苦しいということは理解できますので、みなさんも身内の方に補助をしてもらうなどした方がいいと思います。強迫行為の我慢には物理的な遮断が一番です。


さて、強迫性障害の行動療法というのは実際には「暴露反応妨害法」というものです。たいそうな名前がついていますが実際には非常にシンプルで、わざと強迫観念の浮かんでくるシチュエーションに自分を晒し(暴露)、苦しくても強迫行為を我慢する(反応妨害)ということです。


前回作成した不安階層表を見てみてください。上から順に強迫行為を我慢するシチュエーションが難しい順に並んでいますね。まず一番下にある難易度の一番低いものから始めましょう。例えばあなたが不潔なものが耐えられないというのならその中でも触れそうだなと思うものからまず触れてみます。またあなたが何度確認をしても不安でならないのなら家のドアの鍵を閉めて部屋から離れてみましょう。


繰り返しますが、ここで不安がわき上がってきてもぐっと我慢してこらえることが大事です。そうでないとこの行動療法には効果がありません。